チェルニーの練習曲を有効利用するには?
当教室では、導入楽譜の最後(ブルグミュラー25の練習曲に入る前)にスキルアップの為の練習曲集を併用しています。
ピアノ経験者の方は「チェルニーの練習曲」をご存知かと思います。
目次
チェルニーの練習曲については賛否両論
私の指導歴の中でもっとも試行錯誤してきたのが「チェルニー」についてです。
多くの書籍を読みました。
「チェルニーを練習してもチェルニーが上手になるだけ」
「ピアニストの中には抜粋、または全くチェルニーを弾いてこなかった人も多くいる」
など、興味深い意見も知りました。
しかし、レッスンを重ねる日々の中で「まったく不必要」とは思えず、どのように使うのが生徒さんの為なのか?考え続けています。
たくさんのチェルニー練習曲の中から何を使うか?
- 100番練習曲 Op.139
- 110番練習曲 Op.453
- 24番練習曲 Op.636
- 第一課程練習曲 Op.599
- 技法の練習曲(30番練習曲) Op.849
- 熟練の手引き(40番練習曲) Op.299
- 指使いの技法(50番練習曲) Op.740
- ヴィルトゥオーゾの手引き(60番練習曲) Op.365
- 125のパッセージ練習曲 Op.261
- 左手のための24の練習曲 Op.718
- 小さな手のための25の練習曲 Op.748
- 5つの音による24の練習曲 Op.777
- 新グラドゥス・アド・パルナッスム Op.822
- リトルピアニスト Op.823
こんなにもたくさんの作品(楽譜)が出版されています。
お母様方の中には子供の頃「チェルニー100番」を弾いたわ、という方がいらっしゃるでしょう。
残念ながら当教室では使用しません。
100曲も頑張れないです・・・。
初級者の為のチェルニー練習曲は、上記の中にたくさんありまして、現在は多くの作品の中から抜粋された曲で構成された薄い楽譜があります。
「チェルニー30番練習曲の前に」という楽譜の上下巻は、生徒さんの個性に合わせて選んでいます。(全曲はやらないです)
そして、「チェルニー30番練習曲」は必須アイテムとしてしっかり取り組みます。
第1の目的は指の早い動き
「チェルニー30番練習曲」の合格の条件は「速さ」です。
「ゆっくり弾けました」、では合格にしません。
あえて練習に取り組まないと、指が速い動きに対応できません。
ただ、「速さ」のみではなく、「手が楽に弾いていく弾き方」「音楽的な響き」も含めてレッスンしていきたいと思っています。
私が子供の頃は「根性でチェルニーを弾く」イメージが濃厚でした。
手首が痛くても、手がつりそうになっても、弾き進めるぞ〜〜という感じです。
しかし、これでは本当の意味でのスキルアップではありません。
やっつけの練習曲にしないためには、指導者が使い方を工夫して生徒さんの個性に合わせて指導していくことが重要です。
いつかステキにショパンを弾くために!まずはチェルニー30番で速さのテクニックを磨こう!とお伝えしています。
導入の楽譜が終わりに近づき、チェルニー練習曲を併用し始めると、生徒たちの演奏に「底力」のようなものが備わってきます。
音符やリズムの学びに、「速さ」が加わってきますと音楽の幅が広がっていきます。