ピアノの表現力を磨くためのコツとは?
ピアノを習う時に、身につくことのひとつが「表現力」です。
では、どのようにして「表現力」を高めていけるのでしょうか?
本日は、実際の演奏の中からご紹介していきます。
目次
導入時期から演奏の質にこだわる
ピアノを始めた頃は、楽譜を目で追うのが精一杯です。
それでも、「歌ってひけるよ!ジュニア」などの楽しい曲の数々、「オルガンピアノ」シリーズの1巻や2巻の1曲1曲を仕上げていく時に、「どう弾くことがこの曲の個性なのか?」にこだわって弾いてもらいます。
たとえば、オルガンピアノ2の中の「つきのひかり」は、しずかにおだやかに弾きたいです。
手がバタバタと動いていたのでは、音もおだやかなには弾けません。
呼吸を使ってかわいい犬ちゃんを撫でるように、優しく弾こうね!ということを学びます。
空想力を育てると音が変わる
今年の発表会では、特別企画として青島広志さん作曲の「もしかしてグリム〜音で表現するグリム童話」というコーナーを設けました。
6名の生徒さんたちが、グリム童話の世界を表現してくれました。
それぞれの演奏曲は、「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「ラプンツェル」「美女と野獣」「漁師とおかみさん」「白雪姫」です。
曲に取り組む前に、グリム童話の原書を読んでもらい、脳裏にそれぞれの物語の世界を創りながら音作りをしてもらいました。
「美女と野獣」からの「高貴なメヌエット」は、「夏の庭、冬の庭」という副題が付けられています。
森のなかの壮大な、そして不思議なお屋敷の庭にはどんな樹や草や花があるのでしょう?
そして「夏の花」も「冬の花」も同時に眺められるお庭を目の前にしたら、どんな気持ちでしょうか?
ご紹介する演奏は、9歳のお嬢さんの発表会での演奏です。
よい演奏をするためには、演奏者のアタマの中に「設計図」がなくてはいけません。
日頃見たり、聴いたり、感じることをストックしていくことが大事です。
時にはレッスン中に、スイスのアルプスの山々の写真や、優雅に踊る宮廷の人たちなど、私が情報収集した写真や映像をみてもらうことがあります。(レッスン用のipadを使用しています。)
多感な子どもたちのハートに届くように、様々な写真を集めています。
脳裏に思い描く映像は、きっと表現する音につながっていきます。